【SG】「第35回 ボートレースグランプリ」展望

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展望
ボートレースグランプリ

ボートレースグランプリ概要

ボートレースグランプリの創設は1986年。12月23日に第1回大会が住之江で開催された。
第6回の1991年から平成の間は、天皇誕生日が12月23日であったことから最終日が同日となるよう開催されることが多かった。

令和に変わった2019年は初のナイターによるグランプリが開催された。
これは最終日と同日に中央競馬のグランプリ有馬記念が行われたことも関係しているのかもしれない。
これまで住之江で29回の開催があるが、平和島で3回、戸田で1回、福岡で1回開催されている。
平和島での開催は今回で4回目となる。

かつては賞金ランク12位までの4日間による戦いであったが現在は2ステージ制となり、18位までに入れば賞金王決定戦に駒を進める可能性がある。
優勝戦進出となれば翌年の多くのSGで出場する権利を得ることとなるが、一方でトライアル1st、2ndともにフライングを喫すれば重いペナルティとなる。
そのため、緊迫した戦いとなるはずだ。

出場選手選出方法

  • 年間獲得賞金ランキング上位18名
  • 19位~60位をシリーズ戦へ選出

ボートレースグランプリ 開催日時

12月15日(火)から12月20日(日)までの6日間

ボートレースグランプリの優勝賞金はいくら?

優勝賞金は1億円!(シリーズ戦は1700万円)
豆知識として、公営競技において、1つのレースで選手が獲得できる金額としては初めて1億円を超えた。
(現在ではKEIRINグランプリの優勝賞金の方が僅かに上である)

【SG】第35回 ボートレースグランプリ 出場選手

ボートレースグランプリ出場選手

出典:ボートレース平和島公式サイトより

第35回目となるボートレースグランプリを賞金ランキング1位で出場を決めたのは、峰竜太選手。
後半は苦しいレースも多かったが、それでも1位で出場を決めてくるあたりは流石のひと言。

年間通じての上位18名なので当然ではあるが、誰が勝ってもおかしくないメ豪華メンバーが名を連ねている。

レース進行スケジュール

ボートレースグランプリのレース進行スケジュールは以下の通りとなっている。

レース進行スケジュール

出典:ボートレース平和島公式サイトより

シリーズ戦が含まれていることもあり、いささか複雑な番組編成となっている。

11~12Rは初日から重要な位置付けのレースとなっていることは覚えておいて欲しい。

【SG】第35回 ボートレースグランプリ 枠順

初日(12/15)10R シリーズ特別戦 枠順

コース 登録番号 選手名 支部
1 3721 守田俊介 滋賀
2 3941 池田浩二 愛知
3 4503 上野真之介 佐賀
4 3779 原田幸哉 長崎
5 4444 桐生順平 埼玉
6 4586 磯部誠 愛知

初日(12/15)11R トライアル1st 枠順

コース 登録番号 選手名 支部
1 3783 瓜生正義 福岡
2 3897 白井英治 山口
3 4344 新田雄史 三重
4 4418 茅原悠紀 岡山
5 4296 岡崎恭裕 福岡
6 4371 西山貴浩 福岡

初日(12/15)12R トライアル1st 枠順

コース 登録番号 選手名 支部
1 3960 菊地孝平 静岡
2 3744 徳増秀樹 静岡
3 4337 平本真之 愛知
4 3415 松井繁 大阪
5 4024 井口佳典 三重
6 3573 前本泰和 広島

3日目(12/17)11R トライアル2nd 枠順

コース 登録番号 選手名 支部
1 4238 菊地孝平 静岡
2 3854 徳増秀樹 静岡
3 3942 平本真之 愛知
4 トライアル1st 得点率1位
5 トライアル1st 得点率4位
6 トライアル1st 得点率5位

3日目(12/17)12R トライアル2nd 枠順

コース 登録番号 選手名 支部
1 4320 峰竜太 佐賀
2 4477 篠崎仁志 静岡
3 4524 深谷知博 静岡
4 トライアル1st 得点率2位
5 トライアル1st 得点率3位
6 トライアル1st 得点率6位

 

【SG】第35回 ボートレースグランプリ 注目レーサー

毒島誠(ぶすじま まこと)

毒島誠

3年連続でグランプリのファイナリストとなっている毒島誠選手。
一昨年と去年は賞金ランク1位で乗り込んでいたものの、あと一歩のところで黄金のヘルメットには手が届いていない。
今年は秋から順調に成績を出し続け、チャレンジカップで優勝しトライアル2ndの好枠をもぎ取った。
どの節も機力は十分引き出すことが出来ており、絶好調と言っていいだろう。
しかも関東地区の平和島ならば、より一層、力を発揮できるのではないだろうか。
黄金のヘルメットを手にする日は近い。

吉川元浩(よしかわ もとひろ)

吉川元浩

平和島で行われた今年の3月のボートレースクラシックの覇者。
準優勝は1枠の選手が立て続けに崩れ、2枠として唯一勝利した吉川元浩選手に好枠が巡ってきた。
運も実力も兼ね備えている。
平和島ではビッグレースでの参戦が続いているが3連続優出中としており、これまで当地の優出率は5割。
他地区の選手とは思えないほどの好相性だ。
グランプリは初出場初優勝の偉業を達成して以来13年振りの制覇に挑む。
年始の兵庫支部フィーバー、そして地区戦での事故。
様々な事柄の締めに、地元へ嬉しい知らせを届けたい。

白井英治(しらい えいじ)

白井英治

6年前の当地グランプリで優勝戦1枠としていた白井英治選手。
その後も63.66周年でも1枠としながら敗れている。
平和島は苦手かと言うと、走りは決して苦手にしているように思えない。
優出に関しては吉川元浩選手よりも高い率で推移しており、さらに6年前のグランプリや2017年の当地ダービーで見せた道中の凄まじい追い上げはなかなか真似の出来ない鋭いハンドルワークの連発だった。
今年は師匠の引退もあり、師匠の果たせなかったグランプリ制覇へ鼻息は荒い。
優勝報告という特大の花束を贈ることはできるだろうか。

瓜生正義(うりゅう まさよし)

瓜生正義

2013年の当地ダービーを制し、今年も周年を4コースまくりで優勝した瓜生正義選手。
1枠に好調だった白井英治選手、そして本番まさかの3カドを選択してきた山口剛選手がいる中でしっかりと舟を伸ばしてまくり切った。
イメージを最高のものとして当地に乗り込んできた。
徳山ダイヤモンドカップでのF休みで福岡周年からの直行となるが、かえってリフレッシュした状態での出場がいい方向となるかもしれない。
こんなご時世だからこそ、正義のヒーローは4年振りの制覇へ出動だ。

平本真之(ひらもと まさゆき)

平本真之

強烈なインパクトのある6年前のグランプリだが、実はシリーズ戦も波乱があった。
平本真之選手が5コースから一気のまくりでSG初優勝を成し遂げている。
今年の記念優勝はG2戦での1回だが、オールスターとチャレンジカップで優出、G1で2度の準優勝もあり、この舞台に立つことができた。
昨年の当地65周年では準優勝となったが、2枠からのイン取りで湧かせ、最後まで先頭に食い下がる姿勢も見せていた。
11月の勝負の東海3連戦は3連続優出とリズム上々。
今回はシリーズ戦ではなくグランプリで豪快なレースを期待したい。

峰竜太(みね りゅうた)

峰竜太

SGオーシャンカップを含め今年の活躍ぶりは言うまでもない。
とにかく手がつけられなかった峰竜太選手。
しかし、近況はかなり苦しんでいると言っていい内容だ。
3年振りの予選落ちもあれば、整備力でどんなモーターでも上々の動きにする峰選手でも手を焼くモーターにも苦しみ、5連続での優出漏れとなっている。
それでも底力ある選手なのは間違いなく、今年の顔が締めくくる姿を多くのファンは期待しているだろう。
真冬に最高の「アロハ」は見ることができるだろうか。

【SG】第35回 ボートレースグランプリ 豆知識

グランプリレーサーの意地

今年のグランプリには松井繁選手、吉川元浩選手、井口佳典選手、茅原悠紀選手、瓜生正義、峰竜太選手といったグランプリ優勝経験あるレーサーが出場する。
緊張感あるシリーズを制しているならば、空気感に飲まれず好走を期待できるのではないか。
またシリーズ戦での登場となってしまったが、池田浩二選手桐生順平選手にもグランプリレーサーとしての意地がある。
共にシリーズ戦は初日10Rの特別戦に登場。
「来年こそは」という思いを胸にシリーズ戦での活躍を期待したい。

祝・グランプリ初出場

今年は2名のレーサーがグランプリ初出場となった。
まずは10月のボートレースダービーを制した深谷知博選手。
ナイターキングの毒島誠選手が隣にいるというプレッシャーの中ではあったが見事に逃げ切り勝ち。賞金も大幅に上積みした。
懸念材料は今期早々にフライングを喫したこと。このハンデをものともせず初の頂上決戦でも活躍なるだろうか。

そしてもう1人が西山貴浩選手。
陸の上ではエンターテイナー。しかし、水面に出れば「イケメン」にも見える走りを今年は存分に披露した。
琵琶湖周年でポールポジションから破れたが、すぐさま徳山ダイヤモンドカップで優勝。
G1ウィナーの仲間入りを果たした。
お祭りごととなれば誰よりも似合うボートレーサー。
空気感に押されず存分に暴れ、まずは1stステージのクリアを目指したい。

シリーズ戦の注目選手

グランプリレーサーの池田浩二選手と桐生順平選手はもちろんのこと、今年の終盤、かなり賞金面で追い上げを見せた原田幸哉選手は要注意か。

また蒲郡チャレンジカップでも外からの連対を連発し湧かせた上野真之介選手は今年の活躍が目立った1人。
旋回力が際立つ馬場貴也選手、丸野一樹選手にも注目したい。
当地ダービーで壮絶なデットヒートを繰り広げた深川真二選手と魚谷智之選手も再度頂上決戦へ上り詰められるだろうか。
近況、機力出しが目立つ村田修次選手を筆頭に、石渡鉄兵選手、長田頼宗選手、永井彪也選手といった地元勢の奮起にも期待する。

ボートレース平和島の特徴

基本データ

所在地:東京都大田区平和島1-1-1
開場:1954年6月5日(昭和29年)
電話投票コード:#04
モーター:ヤマト331型(交換時期:6月頃)
ボート:ヤマトYM-730型(交換時期:6月頃)
開催:デイレース
水質:海水
干満差:あり

ボートレース平和島の水面特性

ボートレース平和島水面図

出典:ボートレース公式サイトより

インが弱い会場というのは多くの方が認識しているだろう。

その理由の1つ目はバック側で外側の艇が内側の艇に対して斜行して締め込みを行うと不良航法に取られやすいという点がある。
近年ではどの場でも極端な締め込みはみられなくなったが特に平和島ではその傾向が強い。
すなわち1周2マークで逃げる選手に対して舳先がかかるレベルなら、差した選手に先に回られてしまうため引き波を超えて差し返さなくてはならないのだ。
その点でイン勝率が下がるのであろう。

2つ目には一般戦でも枠番の偏りなく、G1さながらに1〜6枠を各選手に振り分けているからだ。
これならば勝率の低い選手でもイン、高い選手が外寄りとなればやはりインは厳しい戦いとなってくるだろう。
つまり記念クラスともなれば力量の差は縮まりインも強さは増してくるため舟券的には過度に恐れる心配はないのだ。
さらにイン逃げに対しては有利となる情報がある。冬の平和島は向かい風だ。
極端に強く吹かなければ1マークは外を牽制しつつ握って回ることができ、そのままの形で外を牽制すれば追い風となる2マークでも外を止めつつきっちり回ることができる。

ただ、ここに落とし穴もある。
開催初日には11時台だったものが、最終日は14時台になり、東京湾は干潮時刻を迎える。
直接海からの水が入り込むわけではないが満潮の方が走りにくく、干潮の方が走りやすいため、干潮時刻の前後に向かい風が強まるようであればダッシュ勢の一撃があるとも考えておきたい。展示ではスタート展示でのスリット付近の脚色の強さを、周回展示では2マークのターンがスピードをのせて流れずに回っているかを確認したい。

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