「第56回 ボートレースクラシック(2021)」展望

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展望
ボートレースクラシック

ボートレースクラシックとは

概要

正式名称は「鳳凰賞競走」。1988年より「総理大臣杯」と呼ばれ、2014年より通称の「ボートレースクラシック」となった。

開催場の特徴として戸田·平和島といった関東や浜名湖など東の場で開催されることが多く、これまでナイターでの開催が1度もない唯一のSGである。

2011年3月の戸田で行われる予定だった第46回大会は直前の東日本大震災で開催中止に。同年8月に東日本大震災復興支援競走として開催された。

2020年3月の第55回大会は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府より発令されたイベント開催自粛要請により無観客開催となっている。

出場資格

出場選手は前年度覇者、前年のグランプリ優出者、前年のG2以上の優勝者(地区選手権·レディースオールスター·レディースチャレンジカップを除く)と前年の優勝回数の多い選手(優勝回数が同じ場合は先行期間内の勝率順)、当年の地区選手権優勝者である。

条件を満たしていればB級でも出場が可能である。近年では2018年の麻生慎介選手(当時B1)が2017年のG2優勝によりSG初出場を果たしている。

ボートレースクラシック開催日時

開催期間は2021年3月23日(火)~3月28日(日)までの6日間

ボートレースクラシックの優勝賞金はいくら?

優勝賞金は3900万円

注意事項

ボートレースクラシックが行われるボートレース福岡は今節、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため5日目及び最終日は事前抽選による入場となっている。

また、初日から4日目については混雑してきた際に入場制限を行うことが発表されている。人数については記載がないが、入場規制が行われると帰路についた人がいたとしてもそれ以後の新規入場はできないこととなっている。

例外として事前申し込みの指定席券を持っている際には規制後も入場ができる。

予選期間中の観戦を予定している場合には早めの入場をおすすめしたい。

「第56回 ボートレースクラシック(2021)」ドリーム戦

ボートレースクラシック ドリーム戦出場予定選手

出典:ボートレース福岡公式サイトより

コース 登録番号 選手名 所属支部
1 4320 峰竜太 山口
2 3942 寺田祥 福井
3 4238 毒島誠 群馬
4 4524 深谷知博 静岡
5 3854 吉川元浩 兵庫
6 4477 篠崎仁志 福岡

「第56回 ボートレースクラシック(2021)」注目レーサー

瓜生正義(うりゅう まさよし)

瓜生正義

当地は大レースでの活躍が目立つ福岡のエース・瓜生正義選手。

12回の当地での優勝のうち笹川賞、モーターボート記念、ダービーと3度のSG制覇がある他、2度のG1優勝と強さが目立っている。今年に入ってもG1は全て予選突破とその動きも上々。

地元の大将として並み居る強豪を討ち返す。

篠崎仁志(しのざき ひとし)

篠崎仁志

昨年はボートレースオールスターでSG初優勝し、G2を2度優勝。自身3度目のグランプリにも出場した篠崎仁志選手。

地元選手であるが、中でも当地での成績は抜けて高い。最多の68節を戦って優勝が13回と2割近い優勝率を誇る。

また先月にも福岡に出場と調整面でもアドバンテージを握る。

好相性水面で2度目のSGを狙う。

吉川元浩(よしかわ もとひろ)

吉川元浩

一昨年の戸田、昨年の平和島とボートレースクラシックを連覇している吉川元浩選手。

今年の舞台はSG·G1を3連続優勝中のボートレース福岡。前人未到の偉業へ向けて期待は高まっている。

前哨戦の近畿地区選手権でも準優勝。今年こそ賞金ランク独走へ向け、得意の福岡での記録達成を期待する。

峰竜太(みね りゅうた)

峰竜太

昨年はタイトル5冠を獲得し、各地で「アロハ」を見せた峰竜太選手。

今年も九州地区戦を含む3回の優勝で好調さをアピールしていた。

しかし、浜名湖周年で痛恨の勇み足。高い技術で予選2位通過とした直前の三国周年では、準優勝戦で沈められるという珍しいことも。

舟券の人気は高いだけに、ハンデを背負っての走りが今後にどう影響していくのか見守っていきたい。

毒島誠(ぶすじま まこと)

毒島誠

昨年はSGチャレンジカップを優勝し、多摩川·桐生の周年も制覇した毒島誠選手。

2節前での多摩川では大差ぶっちぎりもあれば、1周バック4.5番手から1着をもぎ取るという離れ業も披露。

昨年も序盤はスロースタートだったが4月の多摩川周年を制してからリズムアップ。今年最初のSGに向け気運は高まってきた。

当地周年3年連続優出中の福岡で優勝争いへ。

丸野一樹(まるの かずき)

丸野一樹

年始から最も活躍してるとも言えるのが丸野一樹選手。

初戦の児島で優勝し、尼崎周年で3年連続のG1制覇とすると、唐津周年でも優勝戦は1枠を獲得。その後3節で急に不振に陥ったかと思われたが、直前の若松周年も堂々の予選トップから優勝。

現在賞金ランク1位となっている。

こうなれば狙うは年間を通しての牽引。その先には初のグランプリ出場が見えてくる。

30歳にも満たない若武者がSGでも大暴れとなるだろうか。

「第56回 ボートレースクラシック(2021)」豆知識

連続での地元SGとなる福岡勢

先に紹介の瓜生正義選手、篠崎仁志選手を含め今回は地元の福岡支部から7名の選手が登場。5月のオールスターも若松での開催と福岡支部の選手としては気合いを入れていきたいところだろう。

岡崎恭裕選手は昨年、鳴門周年で優勝。意外にもクラシックは5回目の出場だが過去には2度優出を果たしている。

西山貴浩選手は初G1優勝とグランプリファイナル進出と収穫のあった昨年。今年に入っても江戸川周年優勝と水陸共に活躍が光る。

松田大志郎選手、岡村慶太選手は地元開催のオールスターに向けてはここ優勝あるのみ。

仲谷颯仁選手もV5だが高い勝率で早々に出場を決めており、ここに向けての準備は万全だ。

地区戦と初出場

2月に行われたボートレースクラシックの前哨戦とも言える各地の地区戦。優勝者に出走権が与えられる一方、この地区戦の結果によって一般戦V5の当落選上の選手はSG出場に向けてその行方を待つことになっている。

今年の地区戦優勝者松尾拓選手、馬場貴也選手、峰竜太選手、茅原悠紀選手、桐生順平選手、興津藍選手の6名。

このうち、優勝のみという厳しい勝負に勝ったのは松尾選手と桐生選手の2名。既に権利を持っていた4名の地区戦優勝者の分、4名の繰り上がり出場が決定した。

そのうち北村征嗣選手、岡村慶太選手、田中和也選手の3名は今回がSG初出場となった。昨年の優勝回数の積み重ねで辛くも勝ち取ったSGへの出場。特に岡村選手は地元で戦いとなる。

SG初勝利へ、予選突破へ向けて臆することなく戦い抜いて欲しい。

あれから10年…

通常なら3月開催のボートレースクラシックだが、過去のデータを見ると空白の1年が2011年にある。未曾有の被害をもたらした東日本大震災のあった年だ。

多数の幸せを一瞬にして奪い去り、それによる行方不明者も未だ数千人。住み慣れた街に戻れない方もおり、復興への道はまだまだ続く。

今年は「区切りの10年」とも言われている。そんな年だからこそ東北、それも甚大な被害のあった県出身の2選手には今後に向けて勇気を与える走りを期待したい。

岩手県出身の菊地孝平選手、福島県出身の桐生順平選手はその走りで「区切りの10年」に祈りを捧げる。

ボートレース福岡の特徴

基本データ

所在地:福岡県福岡市中央区那の津1丁目7
開場:1953年(昭和28年)9月26日
電話投票コード:22#
モーター:ヤマト331型(交換時期:6月頃)
ボート:ヤマトYM-730型(交換時期:6月頃)
開催:デイレース
水質:汽水
干満差:あり
チルト角度:-0.5、0、+0.5、+1.0、+1.5

ボートレース福岡の水面特性

ボートレース福岡水面図

出典:ボートレース公式サイト

 

ボートレース福岡は博多湾へと流れる那珂川の河口付近に位置している。海に近いことから水質は海水に近いが、川の水と混ざり合い汽水とも言える。

1マークが那珂川の河口部に飛び出しているような位置にあり、満潮時刻ともなれば海水の影響で独特のうねりが発生する。これによってG1優勝戦の1枠であっても振り込んで大敗するケースは過去にも見られている。地元選手や当地との相性も予想には組み込みたい。

2マーク側のダッシュ水域が非常に狭いのも特徴で、前づけさえなければオールスローのようにも見えてしまうほど。しかし、ホーム側の1マークは徐々に狭まっていくことからスタートで出し抜くようならば一気のまくりも見ることが出来る。

インの1着率や2連対率などは24場でも中間ほどの成績。しかし、過去1年の記念レースでは普段の開催とインの1着率はそれほど変化はない。やはり1マークの見えないうねりは一流レーサーでも苦戦となるだろうか。

注目すべきは3コースの成績。インが弱くセンターが強い印象の戸田よりも3コースの1着率は過去1年で上回る。かといって1-3の組み合わせが最も高いというよりは、3コース絡みになると様々な出目となることから波乱の中心と言えるのではないだろうか。

今節においては開催後半の序盤は大潮の満潮過ぎ。機力差のある一般戦カードが狙い目かもしれない。

またボートレース福岡の特徴や出目傾向など詳細データについては、こちらにまとめてあるのでよかったら参考にして頂ければと思う。

「第56回 ボートレースクラシック(2021)」まとめ

ボートレースクラシック

緊急事態宣言が全国的に解除となったとはいえ、依然として終息とはいかない状況。今なお何かと制限ある開催となっている。

そんな中、開幕する今年最初のSG。昨年の勢いそのままに今年も暴れまくるのか、同一SG3連覇の大偉業達成か。はたまた地の利で制するのか、最後の切符を手に入れた幸運で勝ち上がるのか。

今年の戦いは福岡から始まる。

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