「第10回 G1 クイーンズクライマックス/クイーンズクライマックスシリーズ」展望

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展望

クイーンズクライマックスとは

概要

ボートレース界の年間ナンバーワンを決めるのがグランプリならば、女子ボートレーサーの年間ナンバーワンを決める大会がクイーンズクライマックスだ。2012年より始まった賞金女王決定戦は2014年より「クイーンズクライマックス」という通称で開催され、この年より最終日が12月31日の大晦日決戦となった。

かつてのグランプリの形式と同じく出場選手は11月末のレディースチャレンジカップ最終日までの賞金ランキング上位12名となる。なお12名に関してはフライング休みの期間に該当していたとしても出場できることとなっている。また、優出権を争う「トライアル」は3日目からの3日間3走のみと息の詰まるような熱戦が毎年繰り広げられている。今年の舞台は2015年以来となるボートレース福岡での開催。その第4回大会の福岡では優勝戦でまさかの自体となった。(後述)

今年は遠藤エミ選手がダントツのトップで賞金ランキングを独走。続く平高奈菜選手のみが優勝すれば逆転での賞金女王の可能性を残すが、その他の選手では到底届かないほどの大差となっている。夏冬続けての女子限定G1制覇を目指す遠藤選手に対し、各選手がどのように太刀打ちするか非常に注目だ。

開催日時

グランプリシリーズ
2021年12月28日(火)~12月31日(金)までの4日間

クイーンズクライマックスシリーズ戦
2021年12月26日(日)~12月31日(金)までの6日間

優勝賞金

グランプリ
1500万円

クイーンズクライマックスシリーズ戦
100万円

第10回クイーンズクライマックスクライマックス  トライアル 枠順

12/28 第11R トライアル

1 4450 平高奈菜 香川
2 4482 守屋美穂 岡山
3 4530 小野生奈 福岡
4 4387 平山智加 香川
5 3435 寺田千恵 岡山
6 3618 海野ゆかり 広島

12/28 第12R トライアル

1 4502 遠藤エミ 滋賀
2 4050 田口節子 岡山
3 4590 渡邉優美 福岡
4 4123 細川裕子 愛知
5 4313 西村美智子 香川
6 4885 大山千広 福岡

「G3 クイーンズクライマックスシリーズ」

6日間開催でクイーンズクライマックスと同時に進行されるG3戦。こちらの選考方法はやや難しく、第1選考は元日から10月末までの賞金ランキング上位42名を選出。第2選考は元日から11月末に行われるレディースチャレンジカップ最終日までの賞金ランキングで「第1選考で挙げられた選手を除く」12名が選出される。このうちクイーンズクライマックスに出場となった12名を除く42名がクイーンズクライマックスシリーズ戦に出場となる。

なお13位から15位までの選手についてはフライング休みの期間に該当していたとしても出場することが出来る。通常のオールレディースなどと同様に4日間の予選と5日目の準優勝戦で大晦日11Rに行われる優勝戦へ向かう。

第10回クイーンズクライマックスシリーズ ドリーム戦 枠順

12/26 第12R ドリーム戦

1 4456  鎌倉涼 大阪
2 4208 三浦永理 静岡
3 4773 中川りな 福岡
4 4339 松本晶恵 群馬
5 4478 櫻本あゆみ 群馬
6 4183 宇野弥生 愛知

「第10回 G1 クイーンズクライマックス」注目レーサー

遠藤 エミ(えんどう えみ)

遠藤 エミ

今年ここまでの強さが本当に際立っていた遠藤エミ選手。1月の蒲郡ヴィーナスシリーズから始まりV7。その中には8月のレディースチャンピオンや先月のレディースチャレンジカップも含まれる。また2月のレディースオールスターや今月行われたBBCトーナメントも優出と年間を通して活躍が目立った。

平高奈菜選手を除けば誰が優勝しても賞金女王にはさせないほどの圧倒的大差を付けた今年。締め括りのシリーズも譲れない。

 

平高奈菜(ひらたか なな)

平高 奈菜

唯一、優勝すれば賞金女王の可能性を残しているのが平高奈菜選手。こちらも年間はV6と好調をキープ。印象的だったのは11月の地元・丸亀周年。混合のG1でありながら地の利も活かして準優勝を果たした。またボートレース甲子園でも優出と女子選手トップクラスの力を遺憾無く発揮している。

昨年のクイーンズクライマックスは.01という強烈な踏み込みで初のG1優勝。賞金女王初となる連覇で大逆転での賞金女王を勝ち取りたい。

 

田口 節子(たぐち せつこ)

田口 節子

5度目の出場となる田口節子選手はこれまで4回のクイーンズクライマックス出場がある。しかし、1着はまさかの1回のみと成績を残せていない。しかし、今年の9月に行われた当地のオールレディースでは初日から6連勝。予選トップ通過でオール3連対での優勝。24場制覇達成と記憶に残るシリーズとなった。

その舞台で行われる大会となれば軽視はできない。クイーンズクライマックスでの不振脱却へ。

 

小野 生奈(おの せいな)

小野 生奈

レディースチャレンジカップはフライング休みとなったが、それでもトライアルは初日12Rの3枠から出場となった。今年はレディースオールスターでの優勝をはじめ、9月までは毎月優出と安定感十分。ボートレースダービーの後にフライング休みに入っていた。

9月の当地オールレディースで初日ドリーム戦1枠から勇み足となっただけにここでの巻き返しは期待される。

 

渡邉 優美(わたなべ ゆみ)

前本泰和

クイーンズクライマックスには今年初出場となる渡邉優美選手。自身最多となるV4とした今年はレディースチャンピオンでもG1初優出としていた。地元福岡の3場の中では最も出場回数も多く、1着率も高い福岡が舞台とあって初出場でも侮れない。

9月のオールレディースでは田口選手が強すぎたが、それに続く2着と活躍した。初出場初優勝の偉業達成なるか。

 

大山 千広(おおやま ちひろ)

馬場貴也

近年は勇み足が目立ち好不調の波がある大山千広選手。今年は優勝1回のみと一見すれば不調にも思えるが、その優勝が群雄割拠の福岡支部の男子選手を相手にお盆シリーズを優勝。インパクトのある戦いとなった。

クイーンズクライマックス出場へ向けてレディースチャレンジカップ優勝戦では鎌倉 涼選手に勝たなければ出場ならないという状況も凌いで3年連続の登場となった。爆発力は秘めているだけに初戦の外枠をはじめ福岡でならば要注意だ。

 

「第10回 G1 クイーンズクライマックス・シリーズ」豆知識

10年連続唯一の出場

クイーンズクライマックス開催から節目となる10年。今年も寺田 千恵選手がこの舞台に名を連ねた。近年は毎年のように11月末頃になると出場なるかを注目してきたが、10年連続での賞金女王出場となった。この先続いていくこのシリーズのレガシーとなっていくだろう。

その寺田千恵選手は出場こそ続いており、最多の6度の優出があるが優勝の2文字まではどうしても届かずにいる。圧倒的な強さを見せてきた遠藤 エミ選手や混合G1でも結果を残した平高 奈菜選手をはじめ地元選手も多い強敵揃いとはなったが、福岡の水面は連続優出中でありこれまでも得意にしている。

10年連続出場で初優勝となれば記録にも記憶にも残る大会となりそうで期待をしている。

シリーズ戦 総展望

福岡でのクイーンズクライマックス開催となれば必然と気合いが入るのは三浦 永理選手。7年前のクイーンズクライマックス優勝戦でフライング。それ以来となる福岡での開催とあって、シリーズ戦であっても汚名返上・名誉挽回を期しての戦いとなる。

その7年前の大会で繰り上がっての優勝をした川野 芽唯選手や2016年第5回大会・2018年第7回で優勝した松本晶恵選手らクイーンズクライマックス優勝者にも期待したい。クイーンズクライマックスでも十分に通用するような鎌倉 涼選手や長嶋 万記選手め上位争い。

スタートからの仕掛けが期待される高田 ひかる選手や宇野 弥生選手、配当面では勝浦 真帆選手もインが比較的弱い福岡なら要注意選手。中川 りな選手や西橋 奈未選手はもちろんのこと、来季初のA1を決めた實森 美祐選手。

さらに前田 紗希選手、中田 夕貴選手、小芦 るり華選手、西岡 成美選手ら成長株の選手を含め若手がシリーズを盛りあげる。

悪夢のような7年前

第4回のクイーンズクライマックス優勝戦はまさかの大波乱による結末となった。

優勝戦1枠を手にしていたのは三浦 永理選手。鎌倉涼選手と同率となった得点率だが、賞金ランクの差でポールポジションを獲得。レースでもトップスタートから逃げ込んだかに思われた。しかし直後に場内実況では「いってしまった…」と無念さの伝わるようなアナウンス。バック側に抜けフライング艇が表示されると多くの方が様々な反応を示したのだった。

当時のリベンジのため今年は最後までクイーンズクライマックス出場を目指した三浦選手でしたが惜しくもシリーズ戦のドリーム戦2枠にて登場となった。タイトルは異なるとはいえ大晦日の優勝戦まで進み、悪夢のようなあの日を払拭したい。

 

ボートレース福岡の特徴

基本データ

所在地:福岡県福岡市中央区那の津1丁目7
開場:1953年(昭和28年)9月26日
電話投票コード:22#
モーター:ヤマト331型(交換時期:6月頃)
ボート:ヤマトYM-730型(交換時期:6月頃)
開催:デイレース
水質:汽水
干満差:あり
チルト角度:-0.5、0、+0.5、+1.0、+1.5

 

ボートレース福岡の水面特性

ボートレース福岡の水面図

引用元:ボートレース公式サイトより

ボートレース福岡は博多湾へと流れる那珂川の河口付近に位置し海に近いことから水質は海水に近いが、川の水と混ざり合い汽水とも言える。

1マークが那珂川の河口部に飛び出しているような位置にあり、満潮時刻ともなれば海水の影響で独特のうねりが発生するのでG1やSGの優勝戦の1枠であっても振り込んで大敗するケースは過去にも見られ地元選手や当地との相性も予想には組み込みたい。

2マーク側のダッシュ水域が非常に狭いのも特徴で、前づけさえなければオールスローのようにも見えてしまうほど。しかし、ホーム側の1マークは徐々に狭まっていくことからスタートで出し抜くようならば一気のまくりも見ることが出来る。

コース別成績の傾向

インの1着率は基本的には西高東低のイメージを持つ方が多いのではないだろうか。しかし、西のレース場にでボートレース鳴門と今回の舞台となるボートレース福岡では1着率が低くなっている。

ボートレース福岡は博多湾へと流れる那珂川の河口付近に位置している。海に近いことから水質は海水に近いが、川の水と混ざり合い汽水とも言える。1マークが那珂川の河口部に飛び出しているような位置にあり、満潮時刻ともなれば海水の影響で独特のうねりが発生する。これによって記念クラスの優勝戦の1枠であっても振り込んで大敗するケースは過去にも見られた。

2マーク側のダッシュ水域が非常に狭いのも特徴で、前づけさえなければオールスローのようにも見えてしまうほど。しかし、ホーム側の1マークは徐々に狭まっていくこととコース幅も広くないことからスタートで出し抜くようならば一気のまくりも見ることが出来る。1マークの見えないうねりとコース形態による波乱には要注意だ。

注目すべきは3コースの成績。2連対率は過去1年でセンターの強い戸田と同等。3連対率では戸田をも上回っている。かといって1-3の組み合わせが最も高いというよりは、3コース絡みになると様々な出目となることから波乱の中心と言えるのではないだろうか。

女子戦とあって揃ったスタートからは内の逃げ差し争い。センターからの仕掛けがあるならば波乱を狙ってみても面白い。

 

「第10回 G1 クイーンズクライマックス」まとめ

クイクラ

今年も残すところわずか。賞金女王となると2人の争いには絞られたが、年末のビッグタイトル獲得にどの選手も全力で挑んでくるため熾烈な争いとなるだろう。うねりを超えた先に待つ栄光を掴みティアラを手にするのはどの女王となるのか。今年最後の熱戦に期待している。

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