SG競走 グランドチャンピオンとは
グランドチャンピオンとは、ボートレースのSG競走(最高峰のクラスに位置する競走)のひとつ。正式名称は「グランドチャンピオン競走」。
1991年(平成3年)に、住之江ボートレース場で第1回競走が行われ、今年(2020年)で30回目の開催となる。優勝賞金は3,300万円。
2020年(令和2年)の第30回グランドチャンピオンは宮島ボートレース場(広島県宮島市)で行われる。
グランドチャンピオンが宮島ボートレース場で行われるのは2015年(平成27年)以来、5年ぶり3回目。
開催期間は2020年6月23日(火)から6月28日(日)。この6日間、52人のボートレーサーが宮島ボートレース場を舞台に熱い戦いを繰り広げる。
グランドチャンピオン 出場資格
- 前年度優勝者
- 前年の賞金王決定戦競走優勝戦出場者(6名)
- 直前のSG競走であるボートレースオールスター(笹川賞競走)の優勝者
- 選考期間内におけるSG優勝戦の完走者
- 選考期間内におけるSG予選での得点上位者
このとおり、グランドチャンピオンへの出場資格を獲得するには、既にSGへ出場していなければならないので、「グランドチャンピオンがSG初出場」となることはない。
第30回グランドチャンピオン 展望
第30回グランドチャンピオン ドリーム戦枠順
第30回グランドチャンピオンの初日12レースに行われるドリーム戦の出場選手と枠順は以下の通り。
第30回グランドチャンピオン 注目選手
ここからは、第30回グランドチャンピオンの注目選手を紹介していく。
吉川元浩(よしかわもとひろ)
初日のドリーム戦に出場する選手からは吉川元浩(79期・兵庫)を紹介したい。
吉川元浩は2019年(平成31年)、2020年(令和2年)のボートレースクラシック(総理大臣杯/鳳凰賞競走)を連覇。今やトップレーサーの一角ともいえる活躍ぶりである。
今年(2020年)5月に行われた第47回ボートレースオールスター(笹川賞競走)では準優勝戦進出を果たせず、その後に行われた「G1 開設68周年記念 海の王者決定戦(大村)」では転覆失格となるなど、近況のリズムは今一歩。
しかし、このSGという舞台では侮れない存在であることはいうまでもない。
吉川元浩が宮島ボートレース場に登場するのは約1年2ヶ月ぶり。
前回の出走は「第20回 マスターズチャンピオン」。8走全てで舟券に絡み、優勝戦ではトップスタート(.06)を決め2着に。
吉川元浩にとって、比較的良いイメージを持つ水面ではないだろうか。
グランドチャンピオンには11度目の出場で、これまでの最高成績は2010年(平成22年)・第20回の優勝戦4着。
今年(2020年)2度目のSG制覇に向け、まずは初日のドリーム戦に全力投球といきたい。
柳沢一(やなぎさわはじめ)
昨年(2019年)、多摩川ボートレース場で行われた第29回グランドチャンピオンで優勝したのが柳沢一(86期・愛知)。
続く第24回オーシャンカップでも優勝戦2着、今年(2020年)の第55回ボートレースクラシックでは優勝戦4着となるなど、ここ1年、SG戦線を賑わせている選手のひとりである。
グランドチャンピオンを過去に連覇した選手は3人。
第17回、第18回を制覇した湯川浩司(85期・大阪)、第22回、第23回を制覇した太田和美(69期・大阪)、そして第25回、第26回を制覇した山崎智也(71期・群馬)。
史上4人目の連覇を目指したい。
篠崎仁志(しのざきひとし)
2020年5月に行われた、第47回ボートレースオールスター(笹川賞競走)を制したのが、イケメン兄弟レーサーとして人気の高い篠崎仁志(101期・福岡)。
101期のやまとチャンプがデビュー13年目にして初のSG制覇を果たした。
兄・篠崎元志(96期・福岡)は既にSGを2勝しており、仁志の優勝で松尾泰宏・松尾幸長兄弟以来、史上2組目のSG兄弟ウイナーとなった。
グランドチャンピオンへの出場は2年ぶり6度目で、これまでの最高成績は優勝戦2着(2017年・第27回)。
第47回ボートレースオールスターに続くSG連覇に期待したい。
丸野一樹(まるのかずき)
篠崎仁志が第47回ボートレースオールスターを制したことで、第30回グランドチャンピオンに繰り上がり出場となったのが丸野一樹(109期・滋賀)。
昨年11月に行われた第22回チャレンジカップでSG初出場を果たした丸野は、今回が5度目のSG出場となる。
丸野はこれまでにG1を2度制しているが、いずれも「大物食い」を成し遂げている。
2019年8月の「開設67周年記念 G1びわこ大賞(びわこ)」では長田頼宗、桐生順平、今垣光太郎、瓜生正義を、そして2020年1月の「全日本王者決定戦(唐津)」では井口佳典、白井英治、湯川浩司、桐生順平を破って優勝を決めている。
百戦錬磨のSGウイナーを向こうに回しての優勝は非常に価値が高い。
今回、SGという大舞台でも大物食いをやってのけるか、注目である。
繰り上がりのツキを生かして、まずはSGで初となる準優勝戦進出を目指す。
徳増秀樹(とくますひでき)
篠崎仁志が制した第47回ボートレースオールスターの優勝戦で、もうひとりSG初制覇を狙っていたのが徳増秀樹(74期・静岡)。
.10の好スタートを決めるも6着という結果に終わり、SG初制覇はお預けとなった。
徳増は2001年前期から、20年近くずっとA1をキープしており、安定した実績を残しているが、G1での優勝は意外と少なくわずかに3度。
しかしながら、2020年前期(2019年5月1日 ~ 2019年10月31日)の勝率は8.19と初の8点台を叩き出し、ここにきて注目度が上がってきた。
宮島ボートレース場には約2ヶ月半ぶりの出場。
2018年6月に行われた「G2 モーターボート大賞」を制しており、比較的相性の良い水面といえるのではないか。
今度こそSG初制覇を果たしたい。
福来剛(ふくらいつよし)
意外な成績、という意味では福来剛(87期・東京)も負けていない。
2000年(平成12年)11月にデビューした福来のSG初出場は、選手生活20年目となる今年(2020年)3月に行われた第55回ボートレースクラシック。
そこで優出(5着)したことで今回の第30回グランドチャンピオンの出場権を得た。
通算で約10年A1に在籍している福来であるが、これまでの28度の優勝全てが一般競走であることにも驚きである。
2017年には通称「魔の八項」に抵触するなど、決して順風満帆といえない成績であったが、2020年前期審査期間の勝率は過去最高の7.68。近況も一般戦中心であるが白星を重ねており、侮れない選手のひとりである。
湯川浩司(ゆかわこうじ)
柳沢一の項にも書いた通り、グランドチャンピオンを連覇した選手は過去に3名。そのうちのひとりが湯川浩司(85期・大阪)である。2007年、2008年と連覇し、2年後の2010年にも優勝している。
これまでにSGで4度の優勝経験を持つが、そのうち3勝がグランドチャンピオン。もちろんグランドチャンピオン優勝3回は大会最多記録である。
しかし2010年の第20回グランドチャンピオン以降、湯川は10年間もSGの優勝から遠ざかっている。
40歳とまだまだ老ける年齢ではないが、若手の台頭にやや影が薄くなっているのも事実。
昨年(2019年)はSGの優出ゼロという結果に終わった。
逸材ぞろいといわれボートレース界を賑わせた銀河系軍団の一員として、得意とするグランドチャンピオンで再び存在感を示したい。
太田和美(おおたかずみ)
2012、2013年とグランドチャンピオンを連覇したのが太田和美(69期・大阪)。
1991年(平成3年)11月のデビュー節で優出し「怪物くん」と称された太田和美も、今年でデビュー29年め。すっかりベテランの域に達してきた。
グランドチャンピオンへの出場は今回が25回目。松井繁(64期・大阪)の26回目に次ぐ出場回数を誇る。
湯川ほどではないが、太田もSGの優勝から遠ざかって久しい。
前回のSG制覇(2014年の11月に行われた第17回チャレンジカップ)から約5年半が経過。
SGを過去7度制した選手としては、やや物足りない近況である。
今回の第30回グランドチャンピオンで「怪物くん」が健在であるところを見せつけたい。
前本泰和(まえもとやすかず)
今回の第30回グランドチャンピオン、地元広島支部からの出場は前本泰和(70期・広島)のみと少々寂しい結果となった。
前本といえば積極的なコース取りが特徴の選手。6号艇のときでも、2コース、3コース進入となることが珍しくない。まずはスタート展示に注目。
前本は7回目のグランドチャンピオン出場となるが、過去6回は全て予選落ち。今回、地の利を生かしてまずは準優勝戦進出を目指したい。
吉川昭男(よしかわあきお)
今回、8名を数えるグランドチャンピオンへの初出場選手からは、吉川昭男(70期・滋賀)を紹介したい。
吉川昭男のSG出場実績は過去4回。全てボートレースクラシック(総理大臣杯/鳳凰賞競走)への出走である。
今年(2020年)3月に行われた第55回ボートレースクラシックで優勝戦2着となったことで、今回の第30回グランドチャンピオンへの出場権を獲得した。
吉川昭男は長年にわたりA級をキープしており、これまでの優勝回数も55回を誇るが、そのうちの52回が一般戦であり、G1以上となるとやや家賃が高く感じる。
3月の第55回ボートレースクラシック優勝戦2着がフロックでないことを証明するため、今大会も奮起したいところ。
第30回グランドチャンピオン 出場選手豆知識
ボートレース界の「師弟関係」
ボートレース界には「師弟関係」が存在する。
といっても、落語などのように、弟子が師匠のお世話をするといったものではなく、プロのレーサーとしての振る舞いや技術を学ぶためのものである。
2012年(平成24年)4月までは「持ちペラ制度」(現在は廃止)と呼ばれる、選手個人が持つプロペラをレースで使用できる制度があり、プロペラの加工技術向上を目的とした「プロペラグループ」というものが存在した。その中で師弟関係が結ばれていったとされる。
今回の第30回グランドチャンピオンに出場している選手の中で有名な師弟関係を紹介しよう。
山田康二(102期・佐賀)と上野真之介(102期・佐賀)の両選手の師匠は、今大会でも優勝候補のひとりに挙げられるトップレーサー・峰竜太(95期・佐賀)。
「師弟関係」というと親子ほど年齢が離れているものを想像してしまうが、この師弟関係は峰竜太が35歳、山田康二、上野真之介は32歳と師弟の年齢にほとんど差がないことが特徴である。
山田、上野の両選手から見て、峰は師匠というより「頼りがいのあるアニキ」という存在かもしれない。
今大会でこの師弟が同乗したとき、山田、上野はどんなレースぶりを見せるだろうか。
深川真二の江戸川深イン
ボートレースの醍醐味のひとつに「前付け」がある。
前付けとは、待機行動において外枠の艇が大きく回り込んでほかの艇の前につけ、内側のコースを取ろうとする戦法のこと。
今回の第30回グランドチャンピオンの出場選手の中で、艇界屈指の「イン屋」として知られるのが深川真二(71期・佐賀)である。
深川の「前付け」エピソードとして、非常に有名なものを紹介したい。
深川は2014年2月、枠なりが基本とされる江戸川ボートレース場で前付けを敢行。
インコースを奪取したが、江戸川特有の追い風上げ潮により、45m付近まで艇が流されてしまう。
通常は、深イン(深いインコース)でも80~100m起こしであるため、このときの深川の助走距離はその約半分である。レース実況のアナウンサーも思わず「深イン真二」と実況。
さすがの深川も、45m起こしでは全くスタートにならなかったが、それでも最終的には3着に。
深川真二の魅力が詰まったレースであった。
ボートレース宮島の特徴
ボートレース宮島は、インコースが強いが、風と潮に注意する必要がある。
夏場は向かい風傾向となるため、風速によっては4コースからのまくりが決まることも。
向かい風、追い風とも風速5メートルを超えるようなら、波乱含みの予想を組み立てる必要がある。
今回出場している選手の中で、特に宮島を得意としているのは坪井康晴(82期・静岡)、赤岩善生(82期・愛知)、そして峰竜太(95期・佐賀)の3名。特に坪井康晴は過去5年の宮島でのG1以上の勝率が8.33と、全国勝率(6.97)を1点以上も上回っている。
最近3ヶ月のコース別入着率&決まり手(2020/03/01~2020/05/31)
最近3ヶ月の枠番別コース取得率
フネログ事務局
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