ボートレースクラシックとは
総理大臣杯という名称で知られているが、正式名称は「鳳凰賞競走」。第1回より総理大臣杯が与えられていたが、第23回大会(1988年)より「総理大臣杯」という名称で呼ばれるようになった。現在の「ボートレースクラシック」という通称は第49回大会(2014年)より使用されている。過去の開催場を見ると平和島や戸田といった関東圏を中心に尼崎や児島が中心になっていた。
今年の開催地はボートレース大村であり九州地区では17年ぶりに行われた昨年の福岡に続いて2年連続での開催となる。
出場選手の選出方法としては前年のグランプリ優勝戦進出選手と昨年度のボートレースクラシック覇者、G1・G2戦の優勝者(レディースオールスター及びレディースチャレンジカップは除く)に加え、一般戦を含めた前年の1月から12月末までの優勝回数の多い順に選出されていく。今大会では昨年G1初優勝の選手も多かった他、地区戦でも意外な選手の活躍もあって、一般戦を含む優勝回数が6回に到達していても勝率によっては今シリーズに出場ならなかった選手がいたほどハイレベルのボーダー争いとなった。
1年の最初のSG開催とあって、ここでの好成績が流れを掴むきっかけになり早々と年末に向けて大きく近づくチャンスでもある。1年をリードしていくのは誰かと言う点でも注目となる。
開催日時
2021年03月16日(水)から03月21日(月)までの6日間
優勝賞金
3,900万円(副賞金を含む)
「SG 第57回ボートレースクラシック」ドリーム戦
初日(03/16)第12R ドリーム戦
1 3779 原田 幸哉 長崎
2 3573 前本 泰和 広島
3 3590 濱野谷 憲吾 東京
4 4344 新田 雄史 三重
5 4337 平本 真之 愛知
6 3719 辻 栄蔵 広島
「SG 第57回ボートレースクラシック」注目レーサー
原田 幸哉(はらだ ゆきや)
今回のボートレースクラシックにおいて選出順位トップとなった原田幸哉選手。地元SGでドリーム戦1枠となった。
今回のボートレースクラシックのみならず、グランプリ開催も地元開催となれば是が非でも出場に向けて気持ちが入るシリーズとなる。1月に行われた当地69周年ではやや機力にも苦しみわずか準優で破れ1勝止まり。リベンジにも燃える。
赤坂俊輔(あかさか しゅんすけ)
SGとなるとやや厳しい戦いも予想されるが、地元選手から穴候補としては赤坂俊輔選手を挙げたい。
1月の地元周年では予選敗退に終わったが、それまで7節連続で当地は優出。終盤は3連続優勝と今節のメンバーに入っても引けを取らない大村巧者である。
かつて2012年に出場したSGでは3回全て予選突破という隠れた実力者。今年注目の中堅レーサーだ。
.石野 貴之(いしの たかゆき)
昨年はA1級が絶望的かと思われた位置からボートレースクラシックの優勝で一気に勝率を上げてA1キープとした石野貴之選手。
今年は連覇を狙う大会となる。今年は年始の地元正月開催で優勝。前々回の近畿地区選手権でも準優勝と早くも気配はいい。
SGとなれば目の色を変えて勝負師となるのは誰もが知っていること。2016年のチャレンジカップ優勝した水面で活躍を期待する。
毒島 誠(ひらもと まさゆき)
先日発表された今年のオールスターのファン投票最終結果。1位となったのは毒島誠選手。今年最初のSGが大村とあって、早くもナイターキングとしての活躍を期待する。
2019年のボートレースメモリアルでも優勝している。今年はなんと5節全てで優出という絶好調ぶり。直前が多摩川で出場していたが、ここで活躍するとその後のビッグレースで活躍するような縁起のいい水面で1枠での優出。
リズムよくSGに乗り込んでいるだけに怖い存在だ。
濱野谷 憲吾(はまのや けんご)
今年のボートレースクラシックは東京支部が多く出場する。
SG初出場の栗城匠選手や今泉友吾選手をはじめとして大池佑来選手や永井彪也選手といった若手、さらにSG常連の中野次郎選手に長田頼宗選手らがいるが、やはり濱野谷憲吾選手の存在は大きいだろう。
当地は昨年のダイヤモンドカップでも優勝と好印象。SGで躍動する背中を次世代の東京支部を背負う選手に見せたいところだ。
深川 真二(ふかがわ しんじ)
圧倒的な期待を背負う峰竜太選手が欠場となり、佐賀支部からはこの選手を推したい。
2月末に2日目からの9連勝で大村一般戦優勝した深川真二選手だ。初日についても2着2本でオール2連対。原田幸哉選手にも付け入る隙を与えなかったシリーズともなった。
相変わらずコース取りから動きを見せるだけに常に注意が必要な存在となる。佐賀支部は峰だけじゃないという姿を是非見せてほしい。
「SG 第57回ボートレースクラシック」注目モーター
72号機
山田 哲也選手が記念G1を優勝した際のモーター。直近の一般戦でも松尾 昂明選手が優出。恵まれという形でしたが優勝を決めています。
節間を通じてもその気配が良かっただけに当然注目機となることは間違いないでしょう。
29号機
12月のミッドナイト開催で吉田 拡郎選手が使用、記念G1で菊地 孝平選手が見せ場を作る優出、2月の一般戦では原田 幸哉選手が優出で準優勝(1着深川 真二、3着峰 竜太という豪華メンバー)と整備巧者へ次々と渡っているモーターです。
原田選手の整備で能力が更にアップし出足、スリット付近の力強さは申し分ないだけにスタート、スリット勝負になりがちなボートレース大村では大きなアドバンテージのモーターです。
41号機
上述の原田選手が準優勝だった2月の一般戦の際に深川 真二選手が使用して優勝したモーターです。
12月のミッドナイト開催でイン屋の村上 純選手も使用。
当然のことながら出足とスリット付近が強烈なだけにタイプが異なる選手に渡るとペラ調整を含めて逆効果になる恐れも。
「SG 第57回ボートレースクラシック」豆知識
意外なあの選手が選出順位最下位
ボートレースクラシックの選出方法は前述の通りだが、その中での選出順位で意外な選手が最下位となっている。
それが白井 英治選手だ。
選出順位は
①SG優勝回数
②G1優勝回数
③G2優勝回数
④一般戦優勝回数
の順で決定される。昨年末のグランプリ優勝戦に進出した選手は出場停止やフライング休みを除いて無条件で出場できるが、白井 英治選手は昨年まさかの一般戦での優3回のみ。そのため選出順位は最下位の52位となっている。
予備知識として選出順位が影響する予選における枠の振り分けに関して覚えておきたい。予選4日間制で1日12Rまで予選となる競走があれば最大でも48Rの予選が行われることとなる。しかし出場する選手は52名。
つまり48名の選手は1枠が得られたとして残る選手は1枠消化前に妨害失格やフライングなどによって賞典除外とならなければ溢れた選手は予選で1枠が回らないまま戦い抜かなければならない。
このため白井選手はイン戦がない可能性は高いのだ。いざとなればどの枠からでも前付けで主張することが多い白井選手だが果たしてこの厳しい条件から予選突破なるでしょうか?
初のナイター開催
現在ある8つのSGのうち7つにおいては全てナイターレースでの開催があった。そして今年、最後までナイター開催の実績がなかったボートレースクラシックが初のナイター開催を迎えることとなる。
かつて蒲郡・住之江・丸亀で行われたがこれらはナイターレースを開始する前のものだ。グランプリでもあったようにナイターSGでは波乱になるケースも多くあり、その結末に注目が集まるだろう。
当然ういちさんの「戦えオオムラマン」も盛り上がること間違いないでしょう。
空白の1年
過去のSGを振り返る中でボートレースクラシックは近年で唯一の空白の1年がある。それが2011年3月の戸田で開催されるはずであった第46回。大きな揺れや大津波によって大規模に被害をもたらせた東日本大震災の影響だ。
なお、この中止となった総理大臣杯は8月に同じメンバー構成によって「復興支援総理大臣杯競走」として開催している。早くも震災から11年が経過した。
天変地異に抗う事は難しいが3.11の度に万が一に備える最低限の荷物を確認しておくなど減災へ向けた取り組みはこの機会にしてみてはいかがだろうか。
ボートレース大村の特徴
基本データ
所在地:長崎県大村市玖島1丁目15−1
開場:1952年4月6日(昭和27年)
電話投票コード:24#
モーター:ヤマト331型(交換時期:3月頃)
ボート:ヤマトYM-730型(交換時期:7月頃)
開催:ナイターレース
水質:海水
干満差:あり
ボートレース大村 水面特性
ボートレース大村は長崎県大村湾の東側に位置している。2マーク側から潮も出入りしており水質は海水。大きな特徴は全国でもかなり上位のイン戦の強さとこの2マークだ。
1コース1着率は過去半年で62.9%と芦屋に続く2位、3連対率は86.9%と全国トップだ。この理由としては3つ。
① 1マークが比較的広めであり先に回れる態勢ならば握って回れること。
② スタートの際に目標物が少なく、更に潮の満ち干きも影響はある。慣れている選手でなければスリットで他を出し抜くことは難しくスタートでは回りに合わせる形で揃いやすい。そうなればインが壁を活かして逃げることが出来るのだ。
③ 一般戦においてのことだが、有力選手に1枠を多く回すという番組編成。特に顕著なのはA1級の主役となる選手には予選で1枠が2.3回程度振られるに対してB級の選手では予選で1度も1枠が回ってこないという極端な形となっている。
この3つの観点からSGはもちろんG2以上では均等に枠が割り振られるため、この点だけは波乱を狙う穴党ファンにとっては大村攻略の鍵となるかもしれない。
大きな特徴の2つ目となる2マークについてだが、前述の通り2マークより潮の出入りがある。そのため満潮時に向かっては独特のうねりが発生しキャビテーションやサイドがかからず膨らんでしまうなど逆転が起きやすい。展示でのスムーズな旋回が出来ているかは確認が必要だ。
基本的な考えはイン逃げが中心。相手には内から順に確率が高くなっているが、配当面においてはあまり期待ができない。選手特徴や機力なども加味して柔軟に組み立てていきたい。波乱となるならば今節においてはインの選手よりセンターから外の選手の方が好気配となる機力差があると判断できたときに狙っていきたい。
「SG 第57回ボートレースクラシック」まとめ
ついに今年最初のSGがスタートする。今年のグランプリはボートレース大村で行われる初のナイターでの開催とあって、賞金争いをリードしていく意味合い以上に重要な6日間となるだろう。
地元勢の活躍はもちろん、SG初出場となる選手などこのチャンスを掴み取りたい選手も多く出場とあって激戦必至だ。1年を占う意味でも見逃せない。

フネログ事務局

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